食堂のおばさん
先日ラジオを聴いていたら、心地よい滑らかな江戸弁(女性)。
話の内容もテンポが良くて面白かった。
作家山口えい子さんだ。
長いこと食堂のおばさんをしていたことで有名だ。
考えてみると職場の異動の度に社員食堂があったりなかったり。
食堂の様子は想い出せるがそこで働く従業員の顔は思い出せない。
失礼ながら人間としてではなく血の通う機械としてしか見ていなかった。
数日前の日経に彼女のかなり長いエッセイが載っていた。
お金のかかる日舞を6歳から続けていたそうだ。
下町の有名高校から有名大学へ
食堂のおばさんであることに複雑な思いをしないはずはない。
なんでなったか。
「恒産無ければ恒心無し」と言っているらしい。
だろうね。
芸能人は今、どんなに売れていても就業実態は臨時のアルバイト
いつ首になるかわからない、次お呼びがかからなかったらどうしようとびくびく。
首つなぎのためなら恥ずかしいこともやるし、普通の人が断ることも断れない。
そういうことを考えると食堂の正規従業員になって、きちんとした生活を送れるって悪くない。
プライドを保てるんだ。
貯金もできるし。
その中で精進、努力。
そして遅くなったが女流作家になれた。
2016・1・22記