パッシブソーラーハウスへ
既に紹介しているBEーPAL3月号の表紙、そして清家清氏の設計にかかる著名な住宅(「私の家」1954年)、似ていてしかも同じようにどこか癒しを感じさせてくれる。
共通するのは土間である。
室内を外に延長させる、といってテラスとか温室的な部屋を前面に張り出す例・商品は多い。
逆に室内にアウトドア的雰囲気をもたらすのが土間だ。土間はかっての農家に普通に見られたが京都の町屋、武家・公家の炊事室にもみられる。
私も非常に長い構想年月の挙句ようやくこの製作に向かい動き出すことにした(小屋的なもの4回目)。癒しのみならず実用性が極めて高いからだ。そして防湿、換気、断熱のめどが立ったからだ。
ところで土間をパッシブソーラーハウスの一つとして位置付けるが、今回これについてとてもいい本を見つけた。
野沢氏の写真の本だ(パッシブハウスはゼロエネルギー住宅2009年農文協)。竪穴住居の評価から始まって小生と価値観を一にするところがとても多い。(パッシブハウスの定義については賛成できないが)
建築史に残るようないい作品も多数紹介している。良著だ。
以下「私の家」についての解説
「靴のまま室内に入る、外部とのレベル差のない床構造、ダイレクトゲインを呼ぶ南側の開口、室温の一定な地下室の設置、、熱負荷の大きい東西壁の二重壁化、置屋根による遮熱、温水による床暖房などが施され、(略)型枠として使った杉板がそのまま野地板に転用されているなどの数々のアイディア、戦略、機知にあふれている。」
ちょっと前であるが清家さんの息子さん(慶大塾長)が新聞にこの家のことを書いていた。
2016.3.13記